折角走ったのに着かなかった疲れからではなく、今後の旅に大きな影響の出そうな気がしていつのまにかホームの柱に寄りかかっていた。ガムの味も無くなるとハッと我に返った。
恐らく今日で旅を終わらせるのは無理だろう。
頭の中での単純計算でも容易に計算出来る。
もうお昼だから、暗くなるまであと4時間しかない。駅はあと14残っているから、単純に1時間に3駅は降りなければならない。東塩釜駅以降本数の少なくなった今の状態では不可能だ!部長に電話するか?いや、一応行ける所まで行ってそこで無理ですと伝える事にしよう。その方が努力の跡が見える。
やる前から諦めては駄目だ!!
うーん、良く考えてみると、こんな決意表明的な考えなんてこの旅始まって以来初めてだな。よーし。
さてさて次の駅に進みましょうか。次の駅は高城町駅でーす。
高城町駅に到着。改札出るといきなり町並み?商店街?とにかく店や町が目の前に建っている。普通目の前にって言ったら広がっている!と言うはずなんだけど、ここは違う。左側にはあまりにも強引なタクシープール。以前はただの空き地だったとしか思えない雰囲気のスペース。なんだか車社会とは無縁の感じさえ覚える。多分、駅が車社会になる前に出来ていたからなんだろうな!と勝手に納得してみた。
東京に行った時にもこんな感じの駅前を見た気がする(何処だったかな~??)。住宅地が広がっているわけでもなく、道幅の狭い駅前商店街が約200M程続いている。珍しい作りだな~などと関心して見ていたが、よくよく思い出して見ると、仙石線の各駅前って全くといっていいほど同じ作りが無い!(当たり前か)
だから改札から出る時はワクワクするのかもしれない。次の駅には快速は停まらないから次の電車の時間までなんとたっぷり一時間の余裕が有る。散歩してみる時間はたっぷり有るな。商店街を抜けると大通りに出る、向かい側に渡り、細い路地を抜けると川に出る。川というよりは運河というくらいの幅しかない。でもこの町を見渡すと、川が交通の手段として活躍していたと思わせる。川の両岸に役場と警察署が相対し、大小の橋がたくさん架かっている。町の中心的役割のものが集まっている事が証明している気がする。
初めて降りた駅、始めてきた町なだけに仙台から遠く離れて感じられた。さてさて歩くのは時間があっという間に過ぎていくもんで、コンビニで買い物してたらすでに5分前。急がねば。駅に着いてまた時刻表を見た。快速に挟まれるように普通電車が出ている。故に普通電車の間隔は1時間に1本だ。これから快速の停まらない駅が続くのに、この間隔は絶望的だ。さて今日は何処まで行けるかな~。
さてさて次の駅に進みましょうか。次の駅は手樽駅でーす。
手樽駅に到着。ついに、で、で、出たあ~。何にも無い無人駅。本当に何も有りません。民家も片方の指で数えられる位。何か探さねばとは思えど・・・。すいません。何も無いんです。
それなのに、次の電車は1時間後!!
一番気温の高い時間のはずなのに寒気で寒いの何の。泣きたくなる。待ってる時の時間は本当に長い。
「本当に過酷・・・。」
つづく