「宮城を歩こう」の第一弾企画から二週間後、部長から一本の電話が・・・。
部長「おう、この前は御苦労さんだったね。早速反響が出てるから、次回作作ろうか?」
桃太郎「えっ、本当ですか。嬉しいです。」
部長「いつ空いてる?」
桃太郎「えーっと、明日は休みです。」
部長「そう、打ち合わせしたいから、仙台駅に来てよ。」
桃太郎「分かりました。何時にですか?」
部長「朝8時40分位に、伊達正宗像前でね。」
そして次の日。仙台駅伊達正宗像前・・・8時30分。
桃太郎「部長、おはようございます。」
部長「おう、早いな。じゃあ行くぞ。」
桃太郎「えっ?」
部長「駅弁だよ。駅弁買わないとな。」
桃太郎「えっ、は、はい。」
部長「さて、南三陸号は・・・。おーもう来てるぞ、急げ、座れないぞ!」
桃太郎「えー、もう乗るんですか・もしかして旅始まってますか?」
部長「んっ?まだ始まってないよ。打合せだよ。」
桃太郎「え、で、でももう乗り込んでますよね。しかも、お弁当食べようとしてるし。」
部長「打ち合わせ場所に行くだけだよ。まずは弁当弁当。急がないとな。」
乗った電車は、東北本線の気仙沼行き快速「南三陸号」。
アナウンスによれば、11時には何と気仙沼駅に着くそうだ。
待ち合わせからわずか十数分。
すでに、車内でお弁当を広げている・・・。
うーん、部長素早い・・・。
部長「早く食べないとダメだぞ。」
桃太郎「はい、分かりました。で、でも何でそんなに急いで食べるんですか?気仙沼駅まで二時間以上は掛かるようですが?」
部長「んっ?誰が気仙沼行くって?」
桃太郎「えっ?何処に行くんですか?この電車は、気仙沼行きですよ?」
部長「知ってるよ。途中で降りるんだ。」
桃太郎「えー!何処でですか?次は小牛田駅まで止まりませんよ。」
部長「良いんだよ。小牛田駅で降りるぞ。」
東北本線は意外と早い。なんせ30数分ですでに小牛田駅。
すでに気づいてる人も居るでしょう。
そう、この電車は快速です。
しかも、小牛田駅まではノンストップ。
10個の駅を飛ばすほどの韋駄天快速。
そりゃそうだ、各駅に気仙沼駅まで行ったら、午前中に着くわけが無い。
とても嫌な予感がする。
つづく