部長「そう言えば!」
桃太郎「何ですか?いきなり。」
部長「いや、米坂線にはまだ行かないんだ!」
桃太郎「何でですか?折角車両の説明とかしてもらったんだから、見に行きましょうよ!」
旅人K「そうは行かないんだよ。」
部長「実は、米坂線は、そんなにたくさん走ってないんだよ。特に通勤タイム以外の時間は特に!」
桃太郎「どういう事ですか?」
旅人K「この様な田舎や山間の路線は、利用客も多くない。そんな時間も仙石線のような間隔で走っていたら、赤字どころか廃止になってしまうんだよ。」
この時点で旅の経験の少ない桃太郎は、本当に何も知らなかったんです。ご了承下さい。
部長「よって、この米沢駅にて約二時間の待ち時間が有るんだよ。」
桃太郎「に、二時間!!?」
部長「うん。そこで一度駅舎から出て、米沢の街並みを見学しながらの観光とします。」
三人は、駅舎を出た。
部長「まずは、駅舎をバックに記念撮影だろ!」
駅西側に出た三人は、雪深い景色と駅前の道路を見渡した。
駅西側の道路は、Vの字に形成され、どちらも商店の軒が連なっていた。
お店の数は20数点は見て取れた。
部長「意外と開けてるし、店は多いな。昼ご飯にはまだ早いし、軽めの食べ物位なら良いだろうが。」
とは言え、この時点でまだ朝のラッシュアワーが過ぎた位。
食べ物屋さんだって普通やってない時間だ。
三人は、まず北西へ向かう道路を進む事とした。
お土産屋さん、服屋さん等々店はこんな朝も早い時間であるにもかかわらず開店していた。
食事処も少なくはなかったが、三人はその店にて立ち止まる事は無かった。
長閑な午前中の雰囲気。
歩行者はほとんど無く、興味を持てなそうに暇そうにキョロキョロしている桃太郎に部長が雪玉を投げてくる程だった。
それでも三人は、数百メートルは直進したろうか。
商店街を抜け住宅地ばかりが目立つようになった頃部長の提案で一時駅まで戻る事とした。
Vの字の道が有るのだから、当然そちらも行ってみようとなったが、雪の降る量も一段と強くなったので、三人は残った時間を駅で過ごす事にした。
つづく