すでに村田町に着いた頃には、17時半になっていた。何となくここからどうなるんだろうかという雰囲気が漂ってきた。もちろんこれを考えているのは桃太郎だけだろうが。桃太郎も運転を終え放心状態になっていたその時、携帯電話が鳴った。
部長「誰のだ?」
金太郎「あ。僕のだ・・・。」
この電話からは、今後何が起こるかなんて誰にも理解出来なかった。電話は金太郎の母君から。どうも誰かの容態が悪いようだ。
金太郎「お祖母ちゃんが危篤のようです。」
部長「何?それは大変だ。時間も時間だから今日はこれで切り上げよう。一日目は終了としよう。」
全員解散となり、桃太郎は自宅へ。次の日朝早く携帯へメールが。金太郎からだ。「お祖母さんの所へ行ったが亡くなったという事。家庭の事情が有り色々考えて会社を辞めるという事。」だった。そして桃太郎は会社へ。
朝7:40分。
部長「メール来たか?」
桃太郎「はい。残念ですね。」
部長「まさか、こんなに早くにメンバーが欠けるとは。」
桃太郎「早くというか、一回きりでしたね。」
部長「まあ、仕方無いよな。人の人生色々だからな。それと大事な事なんだが、昨日急いで帰ってきただろ。村田町で割り箸引かなかったんだ。」
桃太郎「あー。まあ急いでましたし、危篤だっていうのに割り箸引かせるのも人間としてかなりヒドイ事だと思いますからね。」
部長「それで、今から行くぞ。村田町へ。割り箸は俺から引くから。」
桃太郎「いきなりの展開ですが、今回は非常時ですので従います。」
部長「遠めで、軽くいやいやな感じで、仕方なくさが伝わるが・・・?」
桃太郎「部長、最近物わかりも勘も冴えて来てますよ!」
朝から小さな小競り合いをした後、車は再び村田町へ。会社のある泉区からは東北自動車道を使うのが何といっても早い。前回同様、高速で村田町を過ぎると村田ICまで行って帰ってくる事になるので、仙台南ICで降りる、国道286号線から仙台村田線に入ってカントリーサインまで行く。
部長「何か二人だと会話も薄くて淋しい気がしないか?」
桃太郎「僕が運転の時は、いつもこんな感じでしたが?」
部長「そうだったか?三人でワイワイだったろ?」
桃太郎「ほー!寝てる人がワイワイ言うんですか?そんな生き物見てみたいですけど!」
部長「・・・。さてもうすぐ着くなあ~!!」
つづく