コンセプトも決まり、決意胸に旅に向かう三人。運命の当日の朝を迎えた。
部長「よし集まったか!早速行くぞ!今回は気仙沼線からスタートだ!」
桃太郎「調べては来ましたけど、桃太郎は気仙沼線に乗るの初めてなんですが・・・。」
旅人K「この路線は山も海も見れて景色も良いし、優雅な旅が出来るよ!」
今回は、事前に全てのルートを入念にチェックして、一日どれ位乗れるのか。
何が出来るのかを決めてきているので桃太郎の気分は上り調子。
三人の表情は明るい。
部長「前回の旅と同じ9時前のスタート。ルート的に乗り遅れ等は許されない旅だから各自時間には気をつける事。」
桃太郎「焦りますね。8:51発気仙沼駅行きですよね。」
旅人K「駅に入ってくるのは8:42で6番線に入ってくるよ。」
桃太郎「おー、コアな情報ありがとうございます。もう見えてくるはずですね。」
部長「来たぞ!乗り遅れるな!」
桃太郎「そこまで言うと子供扱いな気がしますよ。」
気仙沼線の電車は、小牛田駅までは東北本線で行き、小牛田駅から前谷地駅までは石巻線で行く。
前谷地駅からが正式な気仙沼線となる。
既に開業から30年近くが経つ通勤路線というより観光列車と言える路線である。
青森県の八戸駅まで続く東北の海岸線を走る三陸縦貫線の一つとなっている。
気仙沼線所属駅に限定した場合は全部で22駅、区間は約73キロ。
桃太郎「部長、気仙沼線の事、wikipediaで調べてきました。」
部長「桃太郎、わざわざ紙で印刷してきたのか?全部調べたのをプリントアウトしてきたみたいだな。」
桃太郎「かなり持ってきましたので、おいおい紹介しますよ!」
前日もなかなか眠れなかった桃太郎。
下調べの中身は名物の食べ物まで及んだほどだった。
路線図や駅の名の由来等もプリントアウトしたのだった。
旅人K「私は旅するときは必ず時刻表を持ってきます。これです。」
そこで、旅人Kがビニール袋から出した物は、駅構内のkioskで販売している時刻表だった。
桃太郎と部長にとってそれは本物の旅には欠かせないアイテムである。もちろん眩しい存在だった。
桃太郎「これがあの伝説の旅のアイテム“時刻表”ですか?」
旅人K「そんなに珍しいものでも…。毎回買って家に溜まってるよ。」
三人の弾む会話が絶好調に達する頃、電車は小牛田駅へ。
部長「小牛田駅かあ。ここは、何度も来るな。」
桃太郎「意図的では無いにせよ、分岐点ですからね。これからも沢山通るんじゃないですか?」
部長「そうかもな。」
列車はノンストップで、東北本線から石巻線に入っていく。
目指す気仙沼線はもうすぐ。
つづく