小牛田駅を出ると列車は、石巻線へ。上涌谷、涌谷を通り前谷地駅へ。
石巻線はここまで。ここから北上するのが気仙沼線となる。
桃太郎「気仙沼線は、この前谷地駅が起点になるんですよね。調べてきました。」
旅人K「その通りだよ。ここからが気仙沼線です。」
気仙沼線は、前谷地を出ると。大崎平野の真ん中を颯爽と駆けていく。
遠くに山々が見えるがほぼ平坦な田園地帯を走り、柳津駅を過ぎると国道45号線と平行して東へ、東へと。
海岸沿いに向かうようになると急に山々の中を通り抜けていく。そして、陸前戸倉駅が近づくと太平洋が見えてくる。
海が近づくと、海岸線なのだから海が…。
と思いがちだが、実は海岸沿いの崖を切り開くように作られた気仙沼線の沿岸沿いはトンネルが多い。
その為、継続的に太平洋を見るのは無理である。
時折開ける視界で海岸線や砂浜が見え、漁に向かう船が見えるが、地平線を見ようとする頃にはまた次のトンネルに入ってしまう。
南三陸町に入り、路線は街中へ入っていく。志津川駅に着く。
しかし、町並みではなく山沿いを走る為ここも長いトンネルで視界は遮られる。
桃太郎「結構トンネル多いですね。海がなかなか見れません。」
旅人K「この気仙沼線は、結構海沿いを走ります。それゆえ線路が岩肌の中を超えていくのでトンネルが多いんだよ。」
気仙沼線は、その後も沢山のトンネルを抜け、ようやく気仙沼駅へ。到着は10:59。
部長「やっと気仙沼駅か。二時間以上掛かったんだな。同じ県内でもここはやはり遠いよ。」
桃太郎「次の大船渡線は、11:21発です。」
部長「そうだな。一応駅舎からでて写真くらい取れるな。駅弁とかも買っておかないと。」
桃太郎「了解です。バタバタしますが、急ぎましょう。」
三人は、気仙沼駅の駅舎の写真を撮る。
駅舎の前に赤いポストが目を引く。さらに看板には周遊切符の広告が。
「W切符、大船渡線」という看板だ。
トタン屋根の駅舎が旅の情緒を感じさせていた。
乗り継ぎの可能な路線は、次の路線までの待ち時間も少ない。
次の電車まで待っていては、何時間も時間をロスしてしまう。
この旅は、この様なバタバタした旅となる。
部長「もう5分前か。本当に忙しい旅だな。……。」
桃太郎「どうしました?部長。黙ってしまって。」
部長「いや、自分で計画した旅なのに、忙しい旅だなって言った自分が可笑しかっただけ。」
桃太郎「部長、やっとまともな考えが出来るようになりましたね。」
次は、大船渡線。岩手県の盛駅まで向かう。
つづく