電車は小牛田駅にすーと入ってすっと止まった。
部長「さあ、降りるぞー!」
桃太郎「は、はい。」
そそくさと荷物とゴミを持ってホームに降りた。
部長「さあて、ではここで企画の発表です!!」
桃太郎「えっ?打ち合わせは?」
部長「打ち合わせ?そんなまどろっこしい事はしないよ。さあて、桃太郎第二弾企画
は、陸羽東線の旅だあー!」
桃太郎「は、はい。」
部長「あれっ?驚かない?」
桃太郎「だって、わざわざここまで来たら、石巻線か陸羽東線しか有りませんよね。」
部長「そうかあ・・・。騙そうと思って手を打ちすぎたかぁー!失敗失敗。じゃあ俺は帰るからね。」
桃太郎「えーーー!!部長は帰るんですか?えーーー!!」
部長「何だよ。そっちで驚くのかよ・・・。俺は帰るよ。」
桃太郎「だってここまで一緒に来たから、まさか帰らないと思ってましたよ。」
部長「今回も一人旅です。頑張ってね。」
そう言うと、部長はまた電車に乗って帰って行った。
あれっ?
また南三陸だ。
何だよ南三陸って何の為に上り下り作ってるんだよ。
何で上りが着いて20分すると下りが来るんだよ?
んつ?
っていう事は、部長は10時過ぎには仙台駅に着いちゃうんだよなあ・・・。
部長はつまり、仙台駅から30分乗って車内で弁当だけ食べて、小牛田駅のホームで俺に企画発表だけして、30分乗って帰って行ったんだね。
何だそりゃ???
何て意味の無い・・・。
うーん。
あぁーーー!
そう言えば、目的を聞かなかった。
陸羽東線の旅ってまさかまた各駅停車かなー?
部長の携帯携帯と・・・。
桃太郎「部長、も、目的を聞いてませんでしたが・・・?」
部長「あー、各駅停車で鳴子温泉まで行ってね。それだけで良いよ。」
桃太郎「また駅前散策ですか?」
部長「あー、そうだね。それで行こう。じゃあ気を付けてね。」
やっぱりそうかあ。しかも部長何にも考えてなかったような応え方だったなあ。桃太郎をここに連れて来る為の策は考えてたけど、何するかまでは深く考えてなかったのかな?
有り得る・・・。
まあ、目的は聞いたから早速次の電車の時間を確認してみるか。
えー次は、あーもう出るじゃん。
乗る?乗らない?
うーん、あーそう言えば、小牛田駅の駅前ってこの間・・・。
あーーーーーーーだから小牛田駅だったんだーーーー!
そうか、続いてるんだ・・・。
続かせる為に・・・。
そうだったのか。
つづく