丸森町に着いて安心した三人。しかも次に金太郎が引いたのは、蔵王町!部長が歓声を上げた。近いと分かっていたからだ。しかし。実際に地図を見た三人は思った。近くは無いなと。ここ丸森町から蔵王町へのルートは、まず国道113号線を角田市まで戻る。国道349号線には入らず、そのまま113号線を西へ白石市を目指す。白石市の市街地から、国道457号線に乗るというルートだ!
決して近いとは言えないルートだ。では何故部長は近いと感じ、言葉を発したのだろうか?そう、それは、我々が多賀城市から来たからだ!一つの錯覚だと思われる。或いは距離感覚が著しく壊れていたものと思われる。
部長「俺がナビするよ、金太郎。桃太郎は休みだ。」
丸森町に着いた達成感の後の脱力感で、桃太郎は疲れた目をしていた。部長なりに桃太郎を観察して休めと言ったのだろう。考えてみれば一気にこんな長距離を走った事なんて有っただろうか?記憶の彼方の学生時代に遠出して以来だろうか・・・。
国道を乗り継いで蔵王町に着いた頃にはすでに13時40分になっていた。
部長「道路も混んでたとはいえ意外と掛かったな。次は俺か?よっと!」
桃太郎「んっ?これは亘理町ですね!」
部長「今回は慎重に・・・。近いかな?おっ?近いぞ。今度は!」
桃太郎「まあ、宮城県の中で考えてこの移動距離ならGOODというべきではないでしょうか?」
地図で見てもこれは何とかなりそうだ。しかし移動には一時間弱を要した事は書くまでも無い。我々はまた国道113号線を角田市市街まで戻るのだった。
角田までの車内。国道だけで戻るか一同議論になった。
部長「やっぱり国道で戻る方がそれらしくないか?」
桃太郎「でも国道だけだと、また349号線にでて4号線まで戻るんですよ?」
部長「それは遠いか・・・。」
桃太郎「かなりのタイムロスだと思いますよ。明通峠を行きましょう!」
部長「仕方無いな!」
どの辺が仕方ないのか良く理解出来ないが、部長の気まぐれを止められた事は幸いだった。明通峠越えの真ん中あたりで看板が見えた。
部長「おっ?看板見えたな。亘理町だぞ!」
桃太郎「まだ山元町ですよ!」
部長「えっ?あれ?違うの?」
さっき三人で地図見たのに・・・。
つづく