釜石駅に隣接する立ち食いそば屋、こけし亭。時間は一日で一番暖かい時間。
しかし、それでも1月しかも冬の港町。
寒さは身にしみる。確かに立ち食いそばが一番かもしれない。
桃太郎「ここ美味しいですね。」
部長「味もさることながら、香りも良いし、外の寒さがスパイスだな。」
桃太郎「うまい言葉は要りませんよ。」
時間の進むのは早く、食べ終わる頃には発車5分前。三人は慌ててホームへ戻った。
桃太郎「次は、花巻行きですね。快速はまゆり6号です。」
旅人K「この列車は乗り心地良いと思うよ。」
旅人Kの言うとおり、ホームに入ってきた電車はゆったりとしたシートポジションとシートのクッションもフカフカだった。
桃太郎「これって普通料金ですか?」
部長「うーーん。普通なんだな。」
桃太郎「花巻駅到着が15:56だから、1時間40分も乗る路線がこれとは凄いですね。」
桃太郎の言葉通り、発車してしばらくは外を見ていた三人も、雪化粧の山間部に差し掛かる頃にはぐっすりと眠っていた。
そして、15:56花巻駅に到着。
桃太郎「良く寝ましたね。疲れ少し取れましたよ。」
旅人K「本当にいつの間にか寝てたね。」
部長「さあ、ここではゆっくり出来ないんだぞ。」
桃太郎「そうでした。旅の本当の目的忘れてました。」
そう、三人の本当の旅の目的はこの駅に有った。
ここ花巻駅には、マルカンデパートという地元の人なら誰でも知ってるショッピングデパートがある。
そこの最上階の食堂には、これまた皆が知ってるソフトクリームがある。
普通のソフトクリームなら何処にでも売ってる?
そうです、普通では無いんです。
では、何が普通じゃないんでしょう。
桃太郎「マルカンデパートのソフトクリームは桃太郎の携帯を縦にしても2個以上。つまりは全高が20cmを超えるソフトクリームなのだ。」
部長「そうだな。所が問題が一点有るんだ。歩きながら説明するから。」
桃太郎「問題?あーーー寒い1月にソフトクリームが大変だと言う事ですか?」
部長「それも有るんだが・・・。」
桃太郎「ソフトクリーム大き過ぎるから全部食べれないかも知れないって事ですか?心配無いですよ!大丈夫ですよ!」
部長「それも何とかなるんだが・・・。」
桃太郎「じゃあ何ですか?」
部長が抱える悩みは、この後二人を驚愕させる。この旅最大の試練が待ち受ける。
つづく