昨年末、今年の1月と二度の旅を終えて、三人は頻繁に旅の話をするようになった。
青春18切符を使う事で、何処まで、どんな旅が出来るのだろう?
一日という時間をどうすれば有意義に使えるのかを論議していた。
しかし、一気に旅の面白さや、行動範囲が広がり・・・と言うより広がり過ぎて逆に何も決まらなくなっていた。
そしてまずは各自やりたい事、行きたい所を考える事になった。
今までの旅は、自分の殻の中だけの、小さい世界での思慮だったため、一気に全国に広がった旅先に三人は翻弄されていたのだ!
そんな2月のある日。
桃太郎の電話は突然に鳴る。(毎回突然ですが。)
部長「決まったか?まだだろ!俺決まったんだけど!」
桃太郎「部長、もう目的決まったんですか?」
部長「東北出たいんだけど!」
桃太郎「えっ?何ですか?」
部長の唐突な一言には慣れっこのはずなのに。
部長の言ってる意味が全く理解できない。まだ2回しか旅をしていないし、前回だって岩手の一部に訪問したに過ぎない。
部長の突拍子もない企画案に電話が終わった後も振り回されていく。
青春18切符の終了期間が近づくが、桃太郎は案を思いつかずにいた。
そんな時、テレビで東北の日本海側を旅する番組を目にした。
桃太郎は結局、部長の東北を出たいという企画案に乗っていく事になる。
日本海側の風景をテレビで見れば行きたくなるし、もしかして行けるのかもしれない。
青春18切符の本当の実力を嫌というほど思い知らされる事になる今回の企画。
さてまずは旅人Kに連絡を取らねば。
桃太郎「今回の旅は、東北出るんですが大丈夫ですか?」
旅人K「ほー、大丈夫ですよ。」
桃太郎「さすが、旅好きですね。僕は、それを聞いてかなりビックリしたんですが。」
旅人K「そう。私は、遠くまで旅した経験が何度も有るから。ただ、このサイトの企画は、私の考える旅とは何かが違う感じはするね。」
桃太郎「多少の疑問は持ってるようですね。正解です。誰でも疑問は生じると思います。」
旅人K「でもまあ、楽しいから良いよ。」
さすが旅人という他ない。疑問に思う点が少なすぎる。
桃太郎は大いなる疑問を抱えその日を迎えるのであった。
多少の期待も持ちつつ。
つづく