陸羽東線完全制覇なる新しい旅に出る事になった三人。
しかも鳴子温泉駅から出発してまだ何処の駅にも着いてないにもかかわらず、暇になった部長は桃太郎に手品を強要。
確かに仕込んできたのは桃太郎なのだが、誰も居ないとはいえ電車の車内での手品。
この後、旅はどうなって行くのでしょう。
部長「いよ!待ってました!桃太郎君の手品の始まり~!」
旅人K「パチパチパチ。」
桃太郎は手品を披露した。
子供騙しとはいえ本物の種が有る手品。
旅人Kはその種を見破れない。
気を良くした桃太郎は、車内である事も忘れ三度も披露するのだった。
旅人K「見破れないなあ。」
部長「なかなかだったね!」
桃太郎「そ、そうですか?何か嬉しいっす!」
結局、残りの陸羽東線の駅は、12駅も有るのに下車する事も無く、桃太郎は電車の最後尾から過ぎていった線路と雪景色を見ていた。
それはそれで綺麗だったので!
そして新庄駅に着いた。桃太郎が山形に電車で来たのは二回目。
今回は、本当に銀世界の山形。雪国に来たんだなと実感した。
新庄駅着は、14:03。部長がすかさず叫んだ!
部長「さて新庄駅に着いて観光と行きたい所だが、そんな時間も無い。」
桃太郎「えっ?何でですか?」
部長「ここからは、帰り道。何が起こるか分からないからだよ!」
旅人K「冬の日本海側は、いつ大雪に分からないから早く帰らないとね。」
部長「まあ、そういう事で、早く帰るけど外で記念撮影くらいは良いぞ!」
桃太郎「なるほど!分かりました。写真撮ってきます。」
桃太郎は、急いで帰る事に納得して言われる間に駅の外へ出た。
駅の名前が書かれた駅舎を撮影する為である。
これ以後駅に降り立ったら必ず駅舎を撮る事が定例になっていく。
これもこの時の三人は知る由もなかった。
早々に駅舎を撮影を終え三人合流。そして急いでホームに向かった。
桃太郎「部長!次は何時ですか?」
部長「何だ?急に焦り出したように?」
桃太郎「だって帰れなくなるんですよね?」
部長「いちいち大袈裟でないかい?次は山形駅に行くからな!」
桃太郎「では、14:19ですね?」
部長「急げ!あと三分だ!」
桃太郎「部長!早く言ってくださいよ!」
部長「すまん。」
つづく