青春18切符は、基本5人1セットのチケットである。
一定の期間内有効の為、例えば三人旅した次の日に二人旅するという事も基本は可能である。
つまり年末に三人旅をした我々には二人分のチケットが残った事になる。
その期間終了の日が近づこうとしていた。
旅の前日、また部長から電話が来た。
部長「チケット余ってるの二人分なんだけど、旅人Kも誘いたいからさ、当日は一人分切符買いながら行くからな!」
桃太郎は、この相変わらずの部長の言い回しの悪さに常にハラハラドキドキしてきた。
旅人Kも誘いたいと言って来たときは、今回は桃太郎休みな!って言われると思ってドキッとした。
桃太郎も楽しみにしている旅だったから。
桃太郎「分かりました。」
部長「ちなみに明日の予定表(工程表)プリントアウトしておいてくれよ!」
桃太郎「了解です。」
実は、前回の旅の後に今後の方針を部長と真剣に話し合った。
部長とこんなに真剣な話をした事が有っただろうかと思うほどだ。
二人としても旅人Kとの出会いから、現実逃避してしまうほどの世界が有るとは旅をするまで気づきもしなかった。
旅を目的として始めたサイトであるにもかかわらず、予算を持たない旅ばかり。
とりあえず出掛けた先に何か無いかと探る日々。
お互いに言葉には出さないまでも、行き詰まりを感じずには居れなかった。
そこで出会った「青春18切符!!」
ここにまさしく今後永く続くであろう本当の目的の一角を見つけた二人。
それを逃すまいと真剣に話し合ったのだ。
そこで、今回の旅は、事前に本格的にルートを練り、乗り継ぎをして、一日でいったいどれ位乗れるのかを試す旅第一弾になる。
「本来の目的は旅。電車代は青春18切符でお安く済むのだから、その浮いた分は、お土産やら美味しい物を食べる事にする」
という最も大事な、いわゆる「コンセプト」が旅の前に決められた。
今後は、旅人Kも含めた三人が、このコンセプトを元に旅をする事になる。
どんな旅になるか不安も有ったが、旅に興味が有った三人なら何とかなうという自信は有った。
生まれも育ちも違う三人は、この後どんな旅に出掛けるのでしょう。
つづく